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デジタル世界の路地裏で

イケてる作詞のコツ

まず前提として、作詞には正解がありません。あなたの内面から出てくる言葉をすべてメロディーに乗せれば良いだけです。ただし、多くの人が「違和感がない」「自然だ」と感じる歌詞には実は共通点があります。また、多くの人に「イケてる」「カッコいい」と感じてもらうには、いくつかのコツが必要になります。

違和感のない自然な歌詞にするには?

イケてる作詞をする前に、違和感を感じさせない作詞について説明しましょう。当たり前ですが、歌の歌詞はメロディーに乗せた言葉を耳で聞き取ることが前提になります。作詞は作詞者がメモ帳かPCに文字で書いて作りますが、聞く人はほとんどの場合、文字を見ずに聞こえたとおりの言葉を認識します。つまり聞く人の立場を考えて以下の条件を守る必要があります。

  1. 単語はメロディーの切れ目をまたがない
  2. メロディーの音程の高低と単語のアクセントの高低を合わせる
  3. 日常会話で使う機会が少ない単語を避ける
  4. 同音異義語がある単語を避ける

違和感のない自然な歌詞は、実はこれらの条件がちゃんと守られているという共通点があります。1. はさすがに感覚的にわかると思いますが、2. は初心者が陥りやすいポイントです。たとえば「ドミソ〜」と上がっていくメロディーに「悪魔(あ↑く→ま↓)」という単語を当てると「空く間(あ↓く→ま↑)」のように聞こえて違和感を感じます。ただし、文脈から「悪魔」しか連想できないように書くこともできるので、必ずしもタブーというわけではありません。
また、3. 4. については非日常的世界観を演出するために普段使わない難しい漢字の熟語を並べたときに注意するポイントです。たとえば次のような歌詞があったとします。

玲瓏な蒼穹に 終末を告げる雷霆
形而上の残夢さえ 煉獄で咆哮する

ひょっとして、そんなに悪くないと思いましたか?字面だけなら、そう思うかもしれません。しかし、この歌詞を歌として聞く人には次のように聞こえます。

レイロウナソウキュウニ シュウマツヲツゲルライテイ
ケイジジョウノザンムサエ レンゴクデホウコウスル

…どうでしょうか?意味がわかると思いますか?レイロウ、ライテイ、ケイジジョウなどの単語を脳内で漢字に変換できないどころか、同音異義語である 早急、送球、週末、刑事、残務、方向、芳香などの単語が連想されてまったく文意が伝わりません。発音したときの音の響きやリズムを利用するために熟語を使うことは手法としてはよくあることです。しかし、先述の例のような使い慣れない熟語を借りてきて並べただけの歌詞が、本当にあなたが書きたいモノなのか、よく考えましょう。難しい熟語を使うことはあなた自身の自己満足でしかありません。そればかりか、難しい熟語のチカラを借りているだけの歌詞を書いていたら作詞はいつまでも上達しないでしょう。歌とは、その瞬間に発した音で多くの人に何かを伝えるという表現手法です。歌のために歌詞を書くという本質的な目的に立ち返って、自分の内面から出てくる言葉を選んで紡ぎましょう。

イケてる作詞のコツ

「イケてる」歌詞はそう簡単に書けるものではないので、アウトプットを続ける過程で試行錯誤してトライ&エラーを繰り返してこそ、理解できることがあります。それをものすごく端的に簡潔にコツとして紹介しますので、具体的に何のことを言っているかわからない場合は、深く考えずサラッと流しておいて、いずれ「ああ、あれってこのことか」と知識が繋がる時が来るのを待ちましょう。
イケてる作詞をするためには、以下の3つのことを意識しましょう。

  1. 設定を決めて映像として複数の場面をイメージする
  2. 「風景描写」と「感情描写」と「感情の発露」を場面で切り替える
  3. 目に見えるものだけではなく、気候・温度・匂い・時間経過も描写する

まず1. についてですが、歌詞は何もないところからは生まれません。メロディーが先にあれば、メロディーを聞きながら、明るいor暗い、癒やしor力強い、古風or先進的、などを判断して世界観を絞り込みます。メロディーがない場合は、どういう曲調にしたいのかを考えて世界観を決めます。余談ですが、慣れてくると作詞しながら仮メロディーを決めて、作詞が完成すると同時に歌メロの作曲も終わるようになります。
そしてその世界観からイメージを膨らませて、まるで映画監督になったつもりで、その世界の登場人物・時代・季節・時間帯・場所・出来事などをざっくり決めます。これが「設定を決める」という作業です。このように歌詞を実際に書く前にその外枠にあたる「設定」を決めておくと、歌詞を考えるときに手がかりになるので迷いにくくなります。また、歌詞全体に統一感が生まれます。そのうえで、今度はカメラマンになったつもりで、設定した世界からどういう場面を切り取るかを考えます。映画のダイジェストCMのように、印象的な場面をいくつかイメージしましょう。

2. は、イメージした場面について、どういうアプローチで歌詞を書くか、の指標です。現代音楽であれば、ほとんどの場合、Aメロ、Bメロ、サビという構成になっています。これを『起・承・転(・結)』もしくは『序・破・急』のように場面を分けて考えます。王道パターンとしては、Aメロ=風景描写、Bメロ=感情描写、サビ=感情の発露とするのが間違いないでしょう。これによって歌詞のストーリーにメリハリが生まれます。奇を衒って、Aメロで感情の発露をしてもいいとは思いますが、僕はまとめられる自信がありませんw 正解はないので、それこそ試行錯誤してみてください。王道パターンで作詞した例としてわかりやすい作品を紹介しておきます。

3. については、1. の方法で設定を決めるとついつい見逃しがちになる点を補足しています。空想で映像を思い浮かべると、視覚だけに囚われがちになるので、五感をフル活用して描写できることを探して言葉を紡ぎましょう。たとえば、『夜の森をさまよっている』という設定なら、晴れなのか雨なのか、暑いのか寒いのか、何時間くらい歩いてるのか、脚の痛みがあるか、などを描写することで歌詞に使う言葉がたくさん生まれますし、「風景描写」に主体性とリアリティーを与えることができます。

少し長くなってしまいましたね!もし質問などがありましたらtwitterアカウント@gingakonoeまでお気軽にご連絡ください!

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