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「Unveil The Gravestone」クロスフェード動画

M1

Dëströy The Wörld

詞・曲:近衛銀河 歌:Yumi

堕ちて逝く星座を 見送った僕らは
地の果てが朱く燃えるまで 静寂を信じてた

愛憎孕んだ臨界点で guilty, guilty
聖痕刻んだ煽情性の残像に
炎上冤罪か劣等感でギリギリ
There's no way out 打ち砕いて行こう

今 その手を伸ばして 想いを抱き寄せて
すべてが偽りなら 壊したっていい
ただ巡り巡る世界で 遺された記憶さえも
いつか忘れよう 闇の彼方へ
So I dëströy the wörld
(All I can do is dëströying the wörld)

朽ち果てた骸に 枯れた薔薇 捧げて
憐れみの涙 注いだら 絶望まで根を下ろす

愛情叫んだ半狂乱で guilty, guilty
顔面歪んだ嫉妬あらんぞ重罪に
精神崩壊の境界線でギリギリ
Don't you kill me? 勝ち誇って行こう

今 その眼に映した 迷いを掻き消して
すべてを裏切るなら 独りだっていい
ただ救いのない世界で 胸に秘めた夢だけを
いつか叶えよう 願うチカラで
So I dëströy the wörld
(All I can do is dëströying the wörld)

愛憎孕んだ臨界点で guilty, guilty
聖痕刻んだ煽情性の残像に
炎上冤罪か劣等感でギリギリ
There's no way out 打ち砕いて行こう

Break out
鳴り響く鼓動が 轟く雷鳴が
心を熱く焦がし 震わせるから

今 その手を伸ばして 想いを抱き寄せて
すべてが偽りなら 壊したっていい
ただ巡り巡る世界で 遺された記憶さえも
いつか忘れよう 闇の彼方へ
So I dëströy the wörld
(All I can do is dëströying the wörld)

聖痕刻んだ煽情性の残像に

M2

電脳覚醒トランシルヴァニア

詞・曲:近衛銀河 歌:Saori

人は何を求め闇の彼方を征くの
絶望それとも希望 すべて心のままに
終わらない夢から目覚めた少女だけが
最後の扉を開くだろう

Unseal the gate 溢れ出した記憶が
神の掟 欺き 世界を書き換える

呪われた誓約を解き放て
哀しみを消し去って
背負う十字架に灼かれても
遙かなる時の果てに願いを
左胸に勇気を
稲妻に撃ち抜かれて
蘇れトランシルヴァニア

幻に囚われ記された物語
叛逆と革命 裏切りなど知らずに
光を奪われた少女の頬をつたう
白金を染める血の涙

Unlock your heart 燃え盛る城壁さえ
越えて逝ける魂 世界は暴かれた

壊された静寂を駆け抜けて
偽りの名を消して
硝子の瞳 砕けても
遥かなる空の果てを目指して
禁じられた魔法の
邪悪なる翼 広げ
飛び立てよトランシルヴァニア

呪われた誓約を解き放て
哀しみを消し去って
背負う十字架に灼かれても
遙かなる時の果てに願いを
左胸に勇気を
稲妻に撃ち抜かれて
蘇れトランシルヴァニア

M3

メガギガテラ★エレクトリックラヴ

詞・曲:近衛銀河 歌:Yumi

巡り会えたボクらはこの惑星で
奇跡のLinkage
仮想記憶 あふれるこの想い
届け Now Loading

心のセキュリティ 今すぐ解除して
刺激的なプログラム 起動しましょ

メガギガテラ★エレクトリックラヴ
ギガピクセルの夢が弾けて
シビれるくらいのコミュニケーション
教えるよ 恋のワンクリック
メガギガテラ★エレクトリックラヴ
光の速さで 今わかり合える
デジタルの鼓動 信じるなら歌うよ
キミの愛のバージョン アプデされるまで

遙か遠いクラウドの彼方で
見つけたInstance
電子回路 ほとばしるチカラを
感じて Hung-Up

胸の奥のメロディ まとめて圧縮して
トキメキの無限ループ 繰り返すの

メガギガテラ★エレクトリックラヴ
テラバイトの星屑を集めて
未来を照らそうレボリューション
バーチャルだけが二人のリアル
メガギガテラ★エレクトリックラヴ
光に導かれて時を超える
デジタルに I-LOV-U 込めて送るよ
キミだけのパスワード解けるはずだから

心のセキュリティ 今すぐ解除して
ノイズもバグもウイルスも Ah…

メガギガテラ★エレクトリックラヴ
ギガピクセルの夢が弾けて
シビれるくらいのコミュニケーション
教えるよ 恋のワンクリック
メガギガテラ★エレクトリックラヴ
光の速さで 今わかり合える
デジタルの鼓動 信じるなら歌うよ
キミの愛のバージョン アプデされるまで

M4

時空彷徨のディストピア

詞・曲:近衛銀河 歌:Kanade

Just take my heart from Dystopia
秘めた想い解き放て
破滅の彼方へ Dystopia

Fallin’ Star
堕ちた星が流れ着いた遙かな岸辺
寄せては返す憎しみと
闇の中わずか灯る勇気
Justice has done
腐りきった正義なんてもう信じられない
盲目な聖者たちの言葉が溢れ溺れる

誓いが永遠じゃないと知ったその日から
世界は朽ち果て 儚く
今 裸足で荒野を駆け抜けるよ
誰にも邪魔はさせない
巡り巡る悲劇を越えて

Just take my heart from Dystopia
君に想い伝えよう
決して消えない痛みなら連れて行くよ
地の果てまで
Chasing the light in Dystopia
星さえ見えない夜に
絶望の丘で叫ぶ声が
遙か遠く響き渡るから
焔に焦がれた心で
彷徨い続ける Dystopia

Guilty Cross
背負う十字架 見えない槍に貫かれて
歩き出したこの道を
誰が咎めることができるの?
Evil is around
この街で握りしめたのは鮮血の薔薇
導いてくれるなら天使でも悪魔でもいい

確かなこの胸の鼓動
誤魔化せないから
失くした言葉を紡いで
そう 優しさだけでは生きられない
誰もが奪い奪われ
欲望 渦巻く時のなかで

Just take my heart from Dystopia
秘めた想い解き放て
偽りを映す鏡なら壊せばいい
畏れないよ
Breaking the dark in Dystopia
闇を切り裂く輝き
世界の掟に背いても
強く願う未来があるから
光を映す眼差しで
破滅の彼方へ Dystopia

Screaming forever from Dystopia
Can you hear my prayer
Against the god?
指の隙間を零れ落ちる
時の砂は戻らないけど
Chasing the light in Dystopia
星さえ見えない夜に
絶望の丘で叫ぶ声が
遙か遠く響き渡るから
焔に焦がれた心で
最後の言葉を (for the brightness)
闇に解き放て (through the darkness)
破滅の彼方へ Dystopia

M5

キャラめるメルヘンStory

詞・曲:近衛銀河 歌:Meru

天使に出会えるなら キャラメルひとつあげる
ふわふわの雲 メリーゴーラウンド
空に架かる虹には フリルを付けてあげる
大きな七色のカチューシャ

もうキャラ作りなんて言わせないの
いつでもめるめるメルヘン振りまく笑顔で

あまいキャラメルのような
トキメキのメロディ歌っても
なぜだかキミは怒ってるね
夢を探していたいのイチゴ色の街 歩こう
そろそろキミも笑ってよね

見つめる射止める心に決める
集める包める夢詰め込める
目覚める始めるキャラめるメルヘンStory

午前0時過ぎるころ ぬいぐるみは目覚める
うさちゃんクマちゃんのパレード
夜空のお月さまに リボンを付けてあげる
ピンクの流れ星 ツインテ

もういっそキャラも全部 愛してよね
こんなにめるめるメルヘンきらめく世界で

あまいキャラメルの魔法
二人はとろけていいでしょ?
ほらほらキミは困ってるね
夢があふれる宇宙へイチゴのロケット飛ばそう
そろそろキミも気づいてよね

見つめる射止める心に決める
集める包める夢詰め込める
目覚める始めるキャラめるメルヘンStory

あまいキャラめるのファンタジー
終わらないStory 始めよう
恥ずかしがらずに手をつないで
夢があふれる宇宙へイチゴのロケット飛ばそう
そろそろキミも気づいてよね

見つめる射止める心に決める
集める包める夢詰め込める
目覚める始めるキャラめるメルヘンStory

M6

メンヘラ♱メタル♱ラプソディー

詞・曲:近衛銀河 歌:Saori
もういっちょ:Yumi

壹秒ごとに好きだと云って
理不盡を捕らえろ衝動
腦内麻藥 溢れる Virtuality
瞬きしてる暇が在るなら
アタシを見つめなさいよ
隸屬の鎖 手繰り寄せ Show no mercy

快樂と痛みの狹間 潛って
在る筈の無い眞實 探すのだろう

ブチ殺しましょう!彷徨える煩惱を
貴方の呼吸すべて盡くして情熱叫んでよ
悔い改めてよ!脅しじゃ無いのTestament
幾阡年の盟約果たして結ばれる運命よ
裏切りは即ち神への冒涜 誓いを立てろ

どうせアタシが邪魔なんでしょ
濁った眼で喰らえよ妄想
地獄の淵 突き刺せ Identity
信じ續ける強さが軈て
憎惡に變わる未來で
眠れぬ夜に銃聲を Drive me crazy

飢えた心の奧底まで晒して
荒れ狂う嵐の中 驅け出すだろう

ブチ殺しましょう!呼び醒ませ本能を
貴方の命 燃やし盡くして明かりを燈してよ
汝 懺悔せよ!時は滿ち足りたJudgement
幾阡億の星屑 集めて永遠の愛を告げよ
授かりし言葉は存在の證明 誓いをたてろ

鋼鐵の十字架で愛を背負って
罪深い傷 刻み續けるのだろう

この手で...
ブチ殺しましょう!彷徨える煩惱を
貴方の呼吸すべて盡くして情熱叫んでよ
悔い改めてよ!脅しじゃ無いのTestament
幾阡年の盟約果たして結ばれる運命よ
裏切りは即ち神への冒涜 誓いを立てろ

もう壹丁
覺悟してね嫉妬の焰は世界を
灼き盡くすでしょう!

M7

GLORIOUS!!

詞・曲・コーラス:近衛銀河 歌:Kotomi

散る薔薇は語る 気高き賜杯の行方を
冥界に果てる魂に焔を灯さん
雷神さえ崇む稲妻纏うその刃で
王者は天地を喰らう 勝鬨の叫びを上げよ

Wow wow
We know the kingdom will come

Ride the thunder storm
Flying over lots of ponds and hills
いつか駆け抜けよう
地平の終端へ Come with us
Fight forever more
Crying for the finest victory
運命の扉を斬り拓いて Glorious!!

革命を告げる雷鳴が轟く空に
舞う鷹は暴く 光を奪う絶望を
邪悪たる所以 それすら知らぬその刃で
王者は天啓を断つ 神々に背いて進め

Wow wow
The greatest salvation will be done

Ride the thunder storm
Flying over lots of ponds and hills
今 約束の大地に集え Come with us
Shine forever more
Under the sky of our territory
破壊という名の混沌を越えて Glorious!!

(Guitar twin/solo/solo/twin)

Ride the thunder storm
Flying over lots of ponds and hills
いつか駆け抜けよう
地平の終端へ Come with us
Fight forever more
Crying for the finest victory
運命の扉を斬り拓いて Glorious!!
Shine forever more
Under the sky of our territory
破壊という名の混沌を越えて Glorious!!

Glorious...

M8

EVENTERNOTE 〜未来へ続く物語〜

詞・曲:近衛銀河
歌:Saori, Yumi, Kotomi, Kanade and Meru

[Saori]
目覚め始めた 君の世界
地図を広げて 輝く場所探そう
[Yumi]
離れていても繋ぐ想い
希望に満ちた言葉だけを見つめて

[Kotomi]
この手に握りしめた夢は誰にも譲れない
信じ続けるから
[Meru]
Ticket to ride, Stand by my side
二人だけを包むメロディ

[All]
僕らはちっぽけな旅人だけど
[Kotomi & Kanade]
同じ道 ずっと歩いて
約束の場所でまた会えるね
[All]
夢見る大きな翼で羽ばたくんだ
[Saori & Yumi]
同じ星 いつも見ていた
虹色の欠片 数えながら
[Kanade]
哀しみさえ笑顔で塗り替えていく
[All]
僕らを導いて EVENTERNOTE

[Kotomi]
廻り始めた 君の運命
吹き抜ける風 追い越すまで走ろう
[Meru]
時が過ぎても熱い想い
忘れられない記憶だけを抱いて

[Yumi]
未来へ続く物語は誰も一人じゃない
鼓動感じるから
[Meru]
Into my heart, Just take your heart
君に届け夢のエナジー

[All]
僕らはちっぽけな旅人だけど
[Kotomi & Kanade]
弾ける光 追いかけて
世界の果てまで会いに行くね
[All]
夢見る大きな心で歌えるんだ
[Saori & Yumi]
高鳴る胸に手を当てて
あふれる気持ちを伝えるなら
[Kanade]
君の声が夜空で高く響くよ
[All]
ときめきを集めて EVENTERNOTE

[Kotomi]
僕らはちっぽけな旅人だけど
[Kotomi & Kanade]
同じ道 ずっと歩いて
約束の場所でまた会えるね
[All]
夢見る大きな翼で羽ばたくんだ
[Saori & Yumi]
同じ星 いつも見ていた
虹色の欠片 数えながら
[Kanade]
哀しみさえ笑顔で塗り替えていく
[All]
僕らを導いて EVENTERNOTE

Interview

近衛銀河による楽曲解説

GRAVE(グラーヴェ)は音楽用語で「重々しく」という意味。英単語ではグレイヴと発音して「墓石, 死」の意味。今回、近衛銀河(井上銀河)名義の楽曲を女性ボーカルで再録する計画について、CDを作ることなんて一生に何度もないので、ミュージシャンとして生きた証を自分が死んだ後の世界に遺すことになると考え、「墓石」の意味を持つ単語であり音楽用語でもある"grave"をプロジェクト名としました。アルバムタイトルやアートワークにもそういうコンセプトが反映されています。実際の音楽性はさほど重々しくもないし、バラエティに富んでいてまとまりがない感じですが、近衛銀河の音楽活動の集大成を発表するプロジェクトとしては良いコンセプトだと思っています。GRAVEに参加してくれた女性ボーカリストの方々はほとんどは僕の知人でカラオケ仲間です。無茶なオファーにも関わらず、みなさん快く引き受けていただきとても感謝しています。この場を借りて御礼申し上げます。今後また今回のように女性ボーカル入りのCDを作るかどうかはわかりませんが、楽曲制作は細々と続けていきたいと思っています。せっかく始めたGRAVEプロジェクトなので、次は音楽性を絞ってプロジェクト名に相応しく重々しい荘厳な楽曲をリリースしていくのも面白いかな、と今の気分では思っています。引き続き近衛銀河にご支援・ご声援をいただければ幸いです。
1曲目「Dëströy The Wörld」。曲調はLiSA、藍井エイル、黒崎真音などから影響を受けたロックソングです。Aメロ内で転調、Bメロでリズムチェンジなどフック満載な展開にしながらも、歌メロの聴きやすさは失われないように意識して作りました。エンディングにBメロをワンフレーズ挿し込んでみたらカッコよくハマりました。歌詞は耽美的な単語を散りばめつつ、情景描写と心理描写の対比を表現。サビだけはメッセージ性の強いワードを集めて、歌詞全体の輪郭をくっきりさせました。比較的新しめの楽曲ということもあり、歌詞の世界観の完成度としては自分史上最高レベルだと思っています。この曲を書いていたときは生歌で録音する予定はまったくなかったのですが、もし誰かに歌ってもらうならYumiさんが合うな、と考えていたので実現して大満足。アルバム1曲目を飾るにふさわしくクオリティの高い曲になったと思います。
2曲目「電脳覚醒トランシルヴァニア」はアイカツのユリカ様に捧げる曲を考えよう、という動機で作り始めた曲です。吸血鬼伝説のある地域「トランシルヴァニア」の語感から、【トランス+ゴシック】というコンセプトを思いついた瞬間、まさに稲妻に撃たれたかのように曲全体の構成が浮かんできました。印象的なオルガンのイントロは、元々別の曲のギターソロパートだったアイディアをアレンジして転用。たまたま同じキー(ニ短調)だったこともあってうまく融合しました。この曲のもうひとつのポイントは、間奏でのチェンバロとシンセサイザーによるソロの応酬。これはユリカ様の内面にある「理性」と「本能(吸血鬼)」の二面性を表現しています。サビではメインの歌メロに別の歌メロが絡み付いてきてさらにオルガンも独自のメロディを奏でていますが、どうにか奇跡的に干渉せずに共存させることができました。歌詞については、当時ユリカ様の歌唱担当者が変更になった時期だったこともあり「真のユリカ様の復活」を願う内容になっています。
3曲目「メガギガテラ★エレクトリックラヴ」は初期の傑作のひとつ。曲は、個人的にニコ動ボカロPの最高峰と考えていたsamfreeさんへのリスペクトをこめたユーロビートサウンドです。歌詞は空想上のサイバーな世界での恋愛を題材にしています。「心のセキュリティ 今すぐ解除して」「キミの愛のバージョン アプデされるまで」などキメフレーズ満載。恋に落ちるリスクと、インターネットを利用するときのリスクを掛けています。今にしてみれば、この頃の感性は神懸かってたと思います。曲後半ではウイルス感染して故障したかのように同じメロディーを繰り返すパートを作って歌詞と楽曲をリンクさせてみました。アルバム全体のバランスから、曲順をもうすこし後のほうにしようと考えていましたが、今回リマスターで音像が蘇ってとても良い仕上がりになったので繰り上がって3曲目に収まりました。
4曲目「時空彷徨のディストピア」 は僕のボカロPデビュー曲です。すべての始まりの曲なので思い入れが強いです。fripSideっぽい曲が書きたくて、見よう見まねで近づこうとしたけど何者でもない違う何かになってしまったようです。でも曲アレンジはあの手この手を尽くして詰め込んだ感じがあってそこそこ密度の濃いサウンドになった気がします。歌詞は、退廃的な世界で強く生きる女性を題材にしています。情景描写が多めで、ある意味、贅沢にボキャブラリーを浪費して書かれています。また当時、「ディストピア」の意味をあまり理解しておらず、語感の響きの良さだけで使っていたので、若干、矛盾があるような気がしています。歌を担当してくれたのは、fripSideの南條さんにそっくりな歌声を持つKanadeさん。彼女の歌声を聴いた瞬間、ディストピアを歌うのは彼女しかいない、と思って依頼しました。実際は、彼女にとってはかなりキーが低く、歌い辛い部分もあったのですが健闘してもらいました。リマスター時にイントロを短くするなど、編曲をやり直しましたが、功を奏したと思います。
さて問題作の5曲目「キャラめるメルヘンStory」。Meruさんというアイドルの存在ありきで試験的に制作した楽曲を、いろんな偶然が重なり、Meruさん本人に歌ってもらうことが実現しました。自分が書いたとは思えないくらい異彩を放つメルヘンファンタジーな歌詞ですが、客観的に読むとよく出来ているな、と感じる部分もあります。今後アイドルプロデュースをやる気はまったくありませんが、自分の音楽性の幅を広げる意味では良い経験になりました。Meruさんは決して技巧的なシンガーではありませんが、声質自体に表情があり圧倒的な個性を発揮していて、楽曲の商品価値を押し上げています。お世辞ではなく、部分的に田村ゆかりさんのように聴こえるパートもあり、さすがの一言。
アルバム収録曲のなかでは比較的新しい楽曲になる6曲目「メンヘラ♱メタル♱ラプソディー」。8ビートということもあり、曲タイトルに反して思ったほどメタルっぽい楽曲にはなりませんでした。一応、間奏のギターパートはヘビメタ的な速弾きフレーズを詰め込んでいます。おそらく一番、自然体で作れた楽曲だと思います。こういうロックサウンドが僕の音楽性の中心にある気がしています。曲順を決める際、5曲目のあま〜い曲調との落差をつけたくてこの順番で並べました。歌詞はニコ動受けを意識してメンヘラをテーマにしましたが、メンヘラ女子の気持ちがよくわからないので厨二病的世界観に変換してしまいました。しかし、女子目線という切り口に変えるだけで、まだまだ厨二病歌詞も語彙力が枯渇せず書けるんだな、と再確認できたのは良い収穫でした。歌メロディーが、歌唱担当のSaoriさんの出しやすいキーということもあり、楽曲とボーカルとの整合感が高い仕上がりになったと思います。
7曲目「GLORIOUS!!」はメロスピ系メタル曲。8曲目はタイアップなので、ある意味本編のラストを飾る曲。とにかくツインリードギターのハーモニックメロディー満載。パワーコード基調で、マイナーとメジャーを行き来する展開にしました。間奏は「ギターがメロディーを歌う」ことを意識して作ったので、是非そのあたりを楽しんで聴き込んでいただければ幸いです。エンディング(アウトロ)では栄光から一転、闇落ちした感じを表現しています。歌詞は中世の勇猛な王の物語を創作していて、女性ボーカルが合うか不安でしたがKotomiさんが持ち前の歌唱力で有無を言わさずまとめてくれました。
ボーナス・トラック的な扱いで8曲目に収まった新曲の「EVENTERNOTE 〜未来へ続く物語〜」。イベンターノート公式テーマソングでありながらまったくプッシュされていない隠れた名曲。でも、依頼でもされなければこんな明るい曲書かなかったと思うし、曲調が近衛銀河らしくなくて意外に好評なのでヨシとしましょう。サビのメロディーが浮かんだ段階で、アニソンフェスのエンディングで歌ったらカッコイイだろうな、と思ってイメージをふくらませて書き上げました。一般的なフェスのテーマソングはゆったりしたテンポの曲が多いですが、昔からああいうの嫌いだったのであえてBPM速めの構成に。ラストはテンポが落ちて大団円でまとめています。サビ手前くらいからキーがめちゃめちゃ高いんですけど、GRAVEのみなさん、まるで機械で調整したかのように見事な高音で歌いこなしていますね(汗)。...実を言うと、Kanadeさんだけ調整なしの原キーです。恐るべき才能。