銀河RX セルフインタビューM3 2012秋参加に向けて

―― 「銀河RX」ってなんですか?

井上 銀河:僕が音楽活動とか制作活動のときに「井上銀河」を名乗っているわけですが、今回M3に参加するにあたってサークル名が必要になりまして。かといって団体ではないので特に思いつかず、「わいカラ!OK!!」のメインボーカルのあれくすさん(@RX_78)の名前を拝借して「銀河RX」という架空のサークル名を急遽、考案したんです。架空と言っても、実際に僕とあれくすさんの音楽制作ユニットのことなので、嘘ではないです。ちなみに、「井上銀河」を検索すると「魔法先生ネギま!」のキャラソンの歌詞を書いてる同姓同名のプロの作詞家の方が見つかりますが、もちろん僕ではないです。何の関係もありません。ただの偶然です。一応、区別するために僕は「銀河RXの井上銀河」と名乗っていけばいいかなと思ってます。

―― 「銀河RX」は、今回M3で頒布されるCD作品の名義になるということですか?

井上 銀河:いや、作品の名義は「井上銀河」になると思います。新曲ではあれくすさんは歌ってないので。カップリング曲の「わいカラ!OK!!」のほうでは歌ってますが、新曲のほうはボカロが歌うことになるので結局、僕の個人作品という意味合いが強いです。だから僕の名義の作品ですね。時間があればあれくすさんに歌ってもらうという選択肢もあったのですが、スケジュール的に全然間に合わなかったです。「井上銀河」名義のCD作品が世に出ることで、さきほどの同姓同名の作詞家の方にとっては迷惑かもしれないですけど、こちらは所詮、自主制作なのでご容赦いただければと。

―― 収録曲についてですが、まず「わいカラ!OK!!」のことについて教えて下さい。

井上 銀河:これはアニソンカラオケサークルの「わいカラ!」のテーマソングとして2012年の4月にyoutubeで発表した曲です。2011年7月くらいに曲のアイディアはできていて、でも何年振りかの作曲作業だったということもあっていろいろと苦労して、紆余曲折を経て完成した曲です。歌詞は、理系ギークと声優ヲタの多いわいカラメンバーのツボに刺さる言葉を散りばめています。わいカラメンバーにはすこぶる評判がいいんですが、たぶん一般の方には歌詞の意味がよくわからないかも知れないですねw 曲は、全体的にはかなりJAM Projectの影響を受けた熱い感じのロックになっています。メインボーカルはあれくすさんですが、やっぱりわいカラメンバーみんなで歌えるようなアニソンのアンセムにしたいという思いがあったので、最初からJAM Projectっぽい曲調を意識して作ってました。アウトロの部分ではすこし変化してスピードメタル調に変化します。ここは超高速でサンダースネーク(ヲタ芸の技名)を打ってほしいポイントです。ラストはまたスピードダウンしてダイナミックに大団円を迎える、というところまでヨーロピアンメタルのテンプレですね。STRATOVARIUSとかANGRAを知っている人はニヤリとする展開かもしれません。僕は根底がメタラーなので、隠さずに自分の受けた影響をありのままに表した結果こうなりました。JAM Projectもメタルっぽい雰囲気あるので、違和感なく融合できたと思ってます。この曲はyoutubeにうpした段階で拡散目的が達成してしまったのでCDにする予定はなかったんですが、新曲でM3参加することが決定して、この曲もアニソンを愛する熱い気持ちがこもった良い曲なのでカップリングで収録することにしました。

―― では未発表の新曲「Dystopia」(仮題)のことについて教えて下さい。

井上 銀河:実はまだ制作途中で(9/25現在)進捗70%くらいです。CDプレスするのも今回が初めてなので本当に当日までに間に合うかどうか不安ですがw、かなりいい出来に仕上がってきているのでどうにか間に合わせます。曲のタイトルは「Dystopia」にしたかったんですが、ちょっと調べたら同名曲が多いし、バンド名っぽい感じもあるので、日本語を足すとかしてすこし変えるかもしれません。ギリギリまで考えます。歌詞は、暗黒郷(=Dystopia)で絶望しながらも強く生き抜く女性の心理描写を厨二病全開でファンタジー世界に寄せて書いてます。現状を悲観して絶望して、どこか自虐的でありながら、それでも心の奥底で情熱が燃えていて、自分を抑圧しようとするナニモノかに言い知れぬ不満を持っていて、そこからの解放と脱却にかすかな希望を持って彷徨っている、という感じです。歌詞の題材を女性にしたのは、ボカロを使うこと有りきで書き始めた歌詞だったから、というのがあります。女性の声を使う以上は歌詞も女性目線だろう、と。あとは、やはり僕はアニソンが好きなので「何か架空のアニメのOP曲っぽい雰囲気」を目指しました。曲調は今のところ、キャッチーなメロディーでヲタ芸の打ちやすいテンポで、トランス系の曲になってますね。かなり「ピコピコ感」があります。Aメロがピコピコしてて、途中からギターが切り込んできて、全部が一点に収束して爆発してサビでは音の塊が怒涛の総攻撃...という感じです。上松さんが「戦姫絶唱シンフォギア」でゴリゴリのトランスをやってるのを聴いて、僕もやってみたいなぁと思ったところから曲のアイディアが浮かんできました。他にも、初期ELTとかfripSideからの影響も出てる気がしてます。元々、僕は中高生の多感な時期に小室さんとか浅倉さんを聴いて育ったのでいつか自分でもテクノとかトランスっぽい曲を作りたいなぁと考えていたので、今回ようやくカタチになって念願成就したという感じです。ただ、今挙げたミュージシャンたちのモノマネをしたわけじゃなく、ギターの使い方とかは僕特有のメタル感が出てると思うのでそういう点ではオリジナリティも感じてもらえるんじゃないかと考えてます。完成したら動画にしてyoutubeとニコ動にうpしてボカロPデビューするつもりですが、M3当日までに間に合うかどうかは微妙です。。

―― M3当日はボッチ参加なんですか?

井上 銀河:そうですね、あれくすさんがいるかもしれませんけど、基本的には一人でポツーンとしてると思いますw

―― 愛想のない男が一人で座ってて、CD買ってくれる人いますかね?

井上 銀河:・・・いないかもしれませんねw でも、いいんです。僕は怠け者なので、こういうイベントがないと曲を完成できないんです。締め切りに間に合わせようとして完成させることに一番大きな意味があると思ってます。ちょっと真面目な話になりますけど、震災以降、自分の存在意義みたいのを漠然と考えるようになって、普通の人って結婚して幸せになるとか子どもを育てるとか、本能に忠実な選択をしていくんだと思うんですけど、僕はちょっとそういうの違うなって。ずっと音楽やってたのにモノグサでなかなかカタチにしなくてダラダラ日常生活を続けていたわけですが、でもやっぱり自分はクリエイターとして生きたいと思ったんです。ある意味、クリエイターとしての本能に目覚めたのかもしれません。とにかく最低でも、今頭のなかにあるメロディーはすべて世に遺してからでなければ死ねない、という気持ちになってます。今回の「Dystopia」は新曲なのでここ数ヶ月のうちに浮かんだアイディアですけど、頭の中のストックは7曲分くらいあって、それは全部死ぬまでに絶対世に出したいと思ってます。それが僕の残りの人生における目標というか使命なんです。前回の春開催のM3を客として初めて見に行って感化された部分もかなりあって、こんなにも多くのクリエイターが自分の音楽を世の中に発表しているんだなぁ、と。それで僕も自分自身の音楽に対する意識を高めるためにM3に参加することを決めたわけです。だからほんとCDが一枚も売れなくても、参加することに意義がある、って感じですね。

―― ストック曲はどういうジャンルなんですか?

井上 銀河:ほぼ全曲メタルです。ヘビメタです。でも僕が好きなメタルはメロディーがわかりやすいので、畏れ多いのですが例えるならサンホラ(Sound Horizon)的な雰囲気が少しあるかもしれません。シンプルで疾走感のある曲とか、複雑な構成でオペラっぽい曲とかいろいろあります。ほとんどの曲が頭の中では完成していて、ほんとにアウトプットしてデータ化するだけっていう感じですね。ボーカルでは、あれくすさんが大活躍してくれる予定ですが、あまりメタルっぽくない曲とかはボカロを使うかもしれないし、他のゲストシンガー起用ということも考えてます。

―― それは次回のM3で頒布されるんですか?

井上 銀河:そうなれば理想的なんですけど、次々回くらいになるかもしれません。今回新曲1曲に手こずってるような有様なのでw とりあえず今はまだ先のことは未定です。まだまだ勉強して成長しないと今後がキツイだろうなぁと思ってます。今回M3に参加することによって少しでも多くの人に僕の作品を知ってもらって、いろんなレスポンスをもらって今後の成長の糧にしたいですね。

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